かない内科の井上学です。
かない内科のHPを訪問してくださり、また多くの活動に注目していただきありがとうございます。
「社会的処方シリーズ」と題して、3週にわたりお届けします。近年注目されている「社会的処方」とは何か。なぜ今、医療に「つながり」という視点が求められているのか。
まずは基本的な考え方からご紹介していきます。
今日のテーマは「社会的処方」とは何か? 〜医療がつなぐという役割へ」についてです。

「“社会的処方”という言葉を聞いたことはあるかな?」

「最近、学会や本、ニュースで見かけます。でも正直、まだふわっとしています。薬ではないんですよね?」

「ええ。薬ではないんだ。孤立や失業、経済的不安、居場所のなさといった“社会的な問題”に対して、地域のつながりや活動を紹介することを“処方”と考える取り組みなのだよ。」

「つながりを処方する…なんだか温かい言葉ですね。」

「例えば、慢性的な不眠を訴える高齢者。検査をしても大きな異常はない。でもよく話を聞くと、配偶者を亡くしてから誰とも会話していない。」

「それはつらいですね…。でも診察室では“眠れない”としか言わないかもしれません。」

「そう。私たちも含め多くのクリニックの医師は睡眠薬を出して、症状が良くなるようにするでしょう。しかし、本当にその人にとって必要なのは、週に一度のサロンや、趣味の集まり、ボランティア活動かもしれない。」

「薬よりも“居場所”が必要な場合がある。」

「そう。海外の研究では、社会的なつながりを持つ人は、持たない人に比べて早期死亡リスクが約50%も有意に低いという報告もあります。孤立は、静かに健康を蝕む因子なのです。」

「つまり、薬で症状を抑えるだけでは不十分なこともある?」

「ええ。医療は“治す”だけでなく、“つなぐ”役割も担う時代に入っているんだ。社会的処方は、その象徴的な考え方なのです。」

「私たちもできることからやっていきたいですね。」

「良い心がけだね。かない内科では、内閣府主催の孤立・孤独対策に関する連携促進・情報交換会議に採択されて、2026年2月13日に当院で開催したんだよ。千葉市、市原市、社会福祉協議会や地域のNPO法人等と共に、これからの連携の仕方、双方の課題共有などを顔の見える形で進めていこうと協議したんだ。」

「素敵ですー。」
次週のテーマは「孤独は“医学的リスク”である」についてお話しさせていただきます。
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