かない内科の井上学です。
かない内科のHPを訪問してくださり、また多くの活動に注目していただきありがとうございます。
「社会的処方シリーズ」と題して、3週にわたりお届けします。近年注目されている「社会的処方」とは何か。なぜ今、医療に「つながり」という視点が求められているのか。
今回はシリーズ第2回です。
今日のテーマは「孤独は医学的リスクである」についてです。

「先生、孤独が健康に悪いという話、本当にそこまで影響があるんですか?」

「あるんだよ。孤独や社会的孤立は、喫煙や肥満と同程度の健康リスクを持つという研究もあるぐらいなんだ。」

「喫煙と同じレベルですか? それは衝撃です。」

「日本からの論文は少ないんだけど、社会的孤独や孤立は、1日15本の喫煙、アルコール依存症、運動不足、肥満(その約2倍)に匹敵、それ以上であると科学的根拠が出てきているんだ。」

「ひょえー」

「孤立状態が続くと、ストレスホルモンであるコルチゾールが慢性的に上昇する。炎症反応が持続し、血圧や血糖のコントロールにも悪影響を及ぼす可能性がある。」

「生活習慣病とも関係するんですね。」

「そう。高血圧、糖尿病、心血管疾患、さらには認知機能低下との関連も指摘されているんだ。つまり、孤独は“気持ちの問題”ではなく、“医学的問題”なのです。」

「診察室でそこまで見られているでしょうか…。」

「そこが課題です。血圧やHbA1cの数字ばかり追っていると、その背景にある“孤立”を見落としてしまう。」

「確かに、通院しているけれど家では一人きり、という方は多いです。」

「最近は“リンクワーカー”と呼ばれる専門職が、医療と地域をつなぐ役割を担う国もあります。医師が気づき、地域につなぐ。その仕組みが整いつつあるのです。」

「社会的処方は、予防医療でもあるんですね。」

「その通り。孤独に早く気づき、つながりをつくる。それが将来の医療費や重症化を防ぐ可能性もあるのです。」

「日本で導入しているクリニックはあるんですか。」

「殆ど無いと言っていい。今は、その重要性に気づき始めた医師が細々とやっているイメージだね。医師側も患者側もそして、地域の自治体や住民が一体となって取り組む必要がある。これからの日本を支える仕組みをみんなで考えていきたいね」
次週のテーマは「役割を取り戻す医療 ― いろのわが目指す社会的処方」についてお話しさせていただきます。
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